役に立つオモシロ医学論文

信仰心ゆえ? 週1回以上礼拝する人は自殺リスクが5倍低い

 その結果、週に1回以上の礼拝への参加は、全く参加しない人に比べて5倍以上の自殺リスク低下が示されました。特にカトリックの人たちは、約20倍も自殺のリスクが低いという結果になっています。

 キリスト教では自殺は罪とみなされるため、対象となった参加者の多くが自殺に対してネガティブな感情を持っていたことは想像できます。礼拝へ積極的に参加する人では、その傾向がより強いということかもしれません。

 しかしながら、信仰心が生きる力を肯定するというような可能性が示されていることは、とても興味深い結果だと思います。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。