Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【鳥越俊太郎さんのケース】大腸がんはステージ4でも治る

鳥越氏は元気そのもの(C)日刊ゲンダイ

 今井さんは手術ができず、抗がん剤治療を受けていましたが、鳥越さんは同じステージ4ながらも手術ができる状態でした。胃がんも肺がんもステージ4だと、手術はしません。

 しかし、ステージ4でも、可能性があれば手術を行うのが大腸がんで、他のがんと大きく違うところです。

 大腸の中でも、肛門に近い部位を直腸といいます。鳥越さんの大腸がんは直腸がんで、肝臓と肺に転移や再発しやすく、鳥越さんも両方の臓器に転移しています。

 この転移についても手術できるケースは、大腸がんによる転移がんの治療で、手術できれば治る可能性が十分あるのです。

 転移が見つかって、手術の適応になるのは、いくつか条件があります。転移した部分がすべて除去できる、手術後の肝臓や肺の機能が保たれる、手術可能な体力がある、の3つ。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。