患者数は10年で5割増 ゆとり世代で「突然死」急増のナゼ

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 脳梗塞といえば中高年以上の病と思いがちだが、最近20、30代に増えているという。テレビ東京アナウンサーの大橋未歩(発症時34)など、30代前半の発症例も珍しくないが、ここ数年、ゆとり世代の脳梗塞患者が目立つというのだ。

「いわゆる『若年性脳梗塞』は医学的定義では50代未満です。ただ近年、ストレス要因を中心とした20代の発症例は増えています」(山野医療専門学校副校長で医学博士の中原英臣氏)

 年間7万人が死亡する脳梗塞のうち、若年性は約1割。若年性の患者数はこの10年で5割も増えている。

 20代半ば~後半のゆとり世代がなぜ突然死するのか。心理学博士の鈴木丈織氏が言う。

「ゆとり世代の特徴として、親に甘やかされてきたこと、学校の規則も緩く伸び伸び育てられてきました。ストレス耐性が身に付かなかったのです。社会に出て、上下関係や厳しい規則を持った上司、先輩とのやりとり、存在そのものがストレスになっています。同僚と比較されたり、失敗をとがめられるたびに血管の萎縮を加速させているのです」

 ストレスは、睡眠不足や偏食、過食を引き起こす。これもリスクを高める。「甘えじゃないか」と思っても、倒れられては困る。

「ゆとり世代は、運動会などで競争を避けてきたことからも、比較された経験がありません。営業成績を同僚と比べられるのは、ストレスになる。精神論を説くのはもっての外です。逆に、競争していないから実力以上のことを望むため、仕事を頼むとき、『山田くんにならできると思うから任せるよ。困ったときは僕がバックアップするから』と委ねる姿勢が大事です」(鈴木丈織氏)

 こっちがストレスをためそうだが、職場で倒れられるよりマシだ。

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