有名病院 この診療科のイチ押し治療

【学習障害】国立精神・神経医療研究センター病院・小児神経科(東京都小平市)

(左写真)国立精神・神経医療研究センター病院の稲垣真澄医師/(C)日刊ゲンダイ

 学習障害(LD)とは、全般的な知的発達に遅れはないが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態を言う。発達障害のひとつで、国内の有病率は子供の1~2%と推定されている。

 同センターは病院と研究所が一体となり、精神・神経疾患、筋疾患、発達障害の高度専門医療を行う国の基幹病院。LDでも難治患者が全国から紹介されてくる。

 LDの診断・治療指針は2010年に厚労省研究班によって作成された。その編集代表が、同科の稲垣真澄医師(精神保健研究所知的障害研究部部長=写真)。LDが見つかる時期をこう言う。

「LDで問題とされる大半は“読み・書き”の障害です。しょっちゅう間違える、鏡文字を書く、安定して覚えられないなど。ですから、小学校の前半では平仮名を習い始めて分かるケース、小学校後半では漢字ができないことでLDを疑って来院されるケースが多い」

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