有名病院 この診療科のイチ押し治療

【学習障害】国立精神・神経医療研究センター病院・小児神経科(東京都小平市)

(左写真)国立精神・神経医療研究センター病院の稲垣真澄医師/(C)日刊ゲンダイ

 そのため治療は、従来とは違うやり方で学習させることが重要。LDの子供の苦手な能力と得意な能力の特性は一人一人違うので、心理検査で子供ごとの脳の認知機能を明らかにして、その強みを伸ばす学習法で学ばせるのだ。

 同科では、頭部MRI検査、脳波検査に加えて、視覚的認知力、聴覚的認知力、記憶力、注意力など、細かく多くの特性を見極める。通常、ここまで詳しく調べる医療機関はほとんどないという。

「学習法は、たとえばモニターに1文字ずつ出して、声に出して読むことで解読力(正確に読む)を育てます。また、単語のまとまりで読む学習には、単語ごとに間を空けたり、線を入れたり、色を変えたりします」

■個別支援で大学進学も可能に

 治療は個別支援教育が基本になる。同科受診の7~8割の子供の学習の場は学校や家庭となっている。医師は、学習のやり方などを保護者や担当教師に指導する。平仮名が読めないような重度の場合には、外来でパソコンなどの機器を使った学習で基礎力をつけさせて、学校へ戻す場合もあるという。

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