重大病の“サイン”かも…高齢者の「むくみ」を甘く見るな

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 がん細胞に対抗するために、体内で生まれる抗体と抗原が結合した免疫複合体の作用で起こる膜性腎症が原因。腎臓に問題がなかったのに、突然、体全体のむくみが表れたら、すぐに医師の診察を受けるべきだ。

 また、高齢者には「肝硬変」によるむくみも多い。お腹や足にむくみが生じる。腹水がたまるため柔らかく、“カエル腹”とも呼ばれている。これも早めの治療が必要だ。

 臓器の機能障害ではなく、「低栄養」によるむくみも侮ってはいけない。高齢になって食事量が極端に低下したり、偏食が続くと、血清中にあるタンパク質の一種「アルブミン」が不足してしまう。

「アルブミンには血管内外の水分のバランスを調整する役割があるため、アルブミンが不足すると水分が血管内から外に染み出してむくみが出るのです」

 低栄養の人は心血管疾患で死亡しやすくなったり、免疫力が低下して感染症などさまざまな病気にかかりやすくなってしまう。放置してはいけない。

 高齢者のむくみは、体に何らかのトラブルがあることを訴えている“サイン”といえる。年を取ったらよくあることなどと軽く考えず、医師の診断を受けたい。

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