独白 愉快な“病人”たち

女優・高樹澪さん 「片側顔面けいれん」からの回復を語る

高樹澪さん(C)日刊ゲンダイ

■10年近く悩んだのに、あっけなく

 その方に紹介していただいて、立川病院(当時)の清水克悦先生の診察を受けると、原因は、脳幹にある顔面をつかさどる神経と動脈が癒着していて、血のドクンドクンという流れが神経に当たり、けいれんを起こしていたことだとわかりました。そこで問題の神経と血管を剥離させ、間に緩衝材となる髄膜を入れる手術を受けることになったのです。

 清水先生の「(頭蓋骨を)開けたら意外に簡単だよ」という言葉と、瞳の奥の説得力に手術を決意しました。発症から10年近く経っているし、年齢的にも早い方がいいとのことで、2週間後に行われることになりました。

 手術自体は5時間ほどでしたが、周りを10人以上の医師たちが取り囲んで手術を進めていたので、“講義”を除くと数時間だったんだと思います。

 10年近く悩んだのに、あっけなかったですね。問題のけいれんは術後すぐに消えました。1時間後には普通に歩いてトイレに行けるし、右えくぼも戻りました。

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