帯状疱疹の痛みには、1カ月未満の痛みの「急性期痛」、1~3カ月未満の痛みの「亜急性期痛」、3カ月以上続く痛みの「帯状疱疹後神経痛(PHN)」がある。帯状疱疹の10~20%がPHNに移行するといわれる。
「急性期痛はウイルスによる皮膚や神経の炎症による痛みです。一方、PHNの痛みは神経の損傷による神経因性疼痛と、耐えがたい痛みの記憶による心因性疼痛によって生じます。ですから一度、PHNに移行してしまうと治りにくいのです」
そのため、痛みの性状が変化する前に急性期の段階で薬物療法(内服や外用)だけでなく、神経ブロック(麻酔薬の注射)を併用した方がPHNになりにくい。発症後2週間以内、遅くても1カ月以内に神経ブロックを開始した方がいいという。
では、PHNになったらどうするのか。一般の鎮痛薬と作用が違う痛みを取る薬(抗うつ薬、抗てんかん薬、医療用麻薬など)と、神経ブロックを併用する。
これで痛みを取り除く