いきむな危険! トイレでは脳卒中や心臓病に要注意

いきむな危険!(C)日刊ゲンダイ

「中高年は高血圧などの生活習慣病やこれによる動脈硬化症に加え、精神的なストレスや運動不足など、心血管イベントのリスクをいくつも持っています。こういう人が便秘になって必死で排便しようといきめば、血圧が上昇し、血管や心臓に負担をかけます。その結果、脳梗塞や脳出血といった脳卒中や心筋梗塞を起こすのです。とくに夏場は脱水で血液が詰まりやすいうえ、エアコンによる冷えで血管が縮まって血流が滞り血栓ができやすい。脳梗塞には気をつけなければなりません」

 実際、トイレで軽くいきむだけで最大血圧が60~70㎜Hg以上、強くいきむと100㎜Hgもアップするといわれている。しかも、便秘で腸内細菌のバランスが壊れ、TMAO(トリメチルアミン-N-オキシド)が増えると、動脈硬化が進むことがわかっている。

「TMAOは、細胞膜の主成分であるレシチンと呼ばれるリン脂質のひとつが、腸内細菌叢によって代謝されてできたものです。TMAOの血中濃度が高いと、悪玉LDLコレステロールが動脈壁マクロファージに取り込まれ動脈硬化巣ができます。すなわち、心血管イベントのリスクが高くなったということです」(東丸教授)

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