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「夏風邪」は冬の風邪と違うのか

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 池袋大谷クリニック(東京都豊島区)の大谷義夫院長が教えてくれました。

「風邪の原因となるウイルスの種類によります。夏ならではのウイルスの中にはお腹の症状を引き起こすものがあり、そのために『夏風邪はお腹にくる』とよく言われるのです」

 風邪の原因になるウイルスは200種類以上。そのうち低温で乾燥した環境を好むタイプは冬に、高温多湿を好むタイプは夏に繁殖します。

 そもそも「風邪」は正式な病名ではなく、さまざまなウイルス・細菌が鼻や喉に炎症を起こす病気の総称。そのうち、夏にかかるものの通称が「夏風邪」であり、ウイルスによって症状が異なるのです。

「夏のウイルスの代表は、エンテロウイルス。子供が感染すると手足口病を引き起こすのですが、大人では上気道炎症状やインフルエンザのような発熱や筋肉痛、下痢や腹痛が起こります」

 一方、冬の代表はコロナウイルス。上気道を炎症させ、「喉の風邪」を引き起こします。ライノウイルスは、通年で最も多い風邪の原因。季節に関係なく繁殖し、鼻風邪を引き起こします。ほかにもいろいろありますが、対策は夏と冬で違うのでしょうか?

「まったく同じで、ひたすら安静にすることです。冷房で部屋を冷やしすぎるのはよくありませんが、無理に厚い布団をかぶる必要もありません。寒けがしたら、1枚寝具を重ねるといいでしょう」

 次回は夏風邪が長引く理由をお聞きします。