ただ、これはランダム化比較試験そのものの結果ではなく、この研究に参加した対象者中、「たまたま」介護者がいる患者といない患者で比較したものですから、何か大きなバイアスの可能性もあります。
もっとも考えやすいのは、「介護者がいたり、結婚している患者は、より重症だったのではないか」ということですが、この研究では「重症度に大きな差はなかった」となっています。バイアスでないとすると、「介護者に対する後ろめたさ」などのストレスが、患者自身を追い詰めて予後を悪化させているというような仮説も立てられるかもしれません。
いずれにしても、“介護者がいないことが意外に生存にとっていいかもしれない”という研究結果は心に留めておきたいものです。
数字が語る医療の真実