人工血管置換術は手術で胸部や腹部を切開して、もろくなった血管を人工血管に取り換える方法。一方、ステントグラフト内挿術は2008年に保険適用になった。脚の付け根の動脈からカテーテル(細いチューブ)を挿入し、ステントグラフトというバネ状の金属を取り付けた特殊な人工血管を留置する。血管を内側から補強する方法だ。
同科は98年からステントグラフト内挿術を行い経験が豊富。患者の体の状態や病態に合わせて、両方の治療法をうまく使いこなす施設は全国でも限られている。
「人工血管置換術は治療の確実性は高い。ただし、脳や脊髄の保護のために低体温にして人工心肺を用いたりするので、患者さんの体の負担が大きい。ステントグラフト内挿術は低侵襲ですが、元の血管は残しているので確実性が落ちるのが欠点です。そのため当科では手術とステントグラフトを組み合わせた“ハイブリッド治療”を採用し、適応の患者さんに実施しています」
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