これで痛みを取り除く

骨転移の痛みは程度に合わせて医療用麻酔を使う

 骨転移を起こしやすい代表的ながんは、「肺がん」「乳がん」「前立腺がん」「腎臓がん」など。骨転移は必ず痛みが出るとは限らない。しかし、痛みが出始めると場所のはっきりした鋭い強烈な痛みに苦しめられる。東邦大学医療センター大森病院・緩和ケアセンターの大津秀一センター長(緩和医療専門医)が言う。

「肋骨や腕などにも転移しますが圧倒的に多いのは背骨です。患者さんが『腰が痛い』と訴えて整形外科で調べてみたら、初めてがんが見つかるケースもあります。骨転移の痛みは、動くと痛みが強くなるのが特徴です」

 骨転移が見つかれば、外科治療や抗がん剤治療、放射線治療と並行して痛みを取る治療(緩和ケア)を行う。

「骨転移自体の治療で除痛効果が高いのは放射線治療です。ただし、一般的には4週間くらいかけてジワジワ効いてくるので、鎮痛薬を上手に使いながら痛みをコントロールしていきます」

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