ただし、小児に対するオルソケラトロジーはあくまでも医師の裁量権の範囲で行う自由診療の治療だ。そのため現状では眼科医以外の医師や眼科医であってもハードコンタクトレンズをほとんど扱ったことのない医師が治療するケースもある。そうなると、角膜に傷がつき、重い感染症を患う危険もある。
「だからこそコンタクトレンズの治療経験が豊富で、オルソケラトロジーに詳しい眼科専門医にかかる必要があります」
日本コンタクトレンズ学会が定める現在のガイドラインでは、親権者の同意が必要となる「20歳未満」にはこの治療法を推奨していない。
しかし、日本眼科医会のメンバーが作成した「オルソケラトロジーに関するアンケート調査 集計結果報告」(181施設回答)によると、治療対象年齢は小学生25%、中学生~19歳41.1%、20歳以上33.2%。ガイドラインと違い、小児への治療が行われている実態が明らかになっている。