生きがいや人生における目的のようなものを持っていると、長生きできる可能性を示した論文は数多く報告されています。これまで、このコラムでもいくつか紹介したことがあります。
実際に趣味や生きがい、人生の目的を持つことが死亡や日常生活動作にどのような影響を与えるのでしょうか。それを検討した最新の論文が日本疫学会誌(2016年6月号)に掲載されています。
この研究は奈良県に在住している65歳以上の高齢者1853人(平均76.4歳、男性42.3%)を対象に、趣味や生きがいが、「死亡リスク」「食事や移動」「排泄」「入浴などの日常生活動作の低下リスク」「買い物」「洗濯や金銭の管理などの手段的日常生活動作の低下リスク」にどう影響を与えるか検討したものです。
対象者のうち62.4%にあたる1156人が趣味と生きがいを有していました。なお、年齢、性別、収入、BMI、喫煙状況、うつ状態など結果に影響を与えうる因子で結果を補正して解析しています。
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