良医が警告 やめてはいけないクスリ

血糖硬化剤・インスリン注射 自己判断でやめて深刻事態に

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 人工透析に至る前の2型糖尿病の治療は、インスリンの分泌を促したり働きを高める、あるいは糖の吸収や排泄を調節するDPP-4阻害薬などの経口薬の服用、GLP-1阻害薬の注射、インスリン療法だ。インスリン療法を嫌がる人は多いが、すぐにインスリン療法が必要な人もいる。

「インスリン療法を『待てない患者』は膵臓が能力ギリギリまで働き、代謝異常が起こっている。何らかの自覚症状があれば、その可能性が高い。すぐにインスリン治療を始めなくてはなりません」(弘世教授)

 一方、「待てる患者」も「薬なしでOK」という意味ではない。食事内容の改善で2~3カ月様子を見て、HbA1cの数値が十分に下がらなければ薬の出番。

「薬物治療をためらうことで、糖尿病腎症で人工透析になったり、網膜症で失明する人がいるのは事実です」(弘世教授)

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