企業も導入 仕事の生産性上げる「血糖値」の知識と食事法

食後高血糖を防ぐなどの健康効果も
食後高血糖を防ぐなどの健康効果も(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病の人の話ではない。あくまでもサラリーマンが対象だ。外資系企業は、社員の生産性を高いレベルでキープするために血糖値に注目しているという。雑誌「プレジデント」によれば、グーグルやP&Gなどは血糖値を軸にした健康管理を導入することで、なんと、生産性の改善も狙っているそうだ。

 日本のグーグル社員は「私はそういうレクチャーを受けたことはないけど、米国の話なら聞いたことがある」とした上でこう言った。

「いっぱい食べて血糖値が急上昇すると、その反動も大きくて眠くなり、仕事のパフォーマンスが悪くなります。つまり、血糖値の乱高下は仕事のパフォーマンスの良しあしに密接に結びついているということ。そんな体の反応に即して、米国の社員は血糖値がなるべく一定になるように、食事の間隔を3~4時間にして少量を分けて食べるのが理想みたい」

■血糖値が変動しにくい食べ方

 なるほど、血糖値の上昇局面は仕事のヤル気が出るが、下降局面では意欲が低下したり、イライラしたり。確かに合理的だが、具体的にどうやるのか。日本糖尿病学会評議員で、「加藤内科クリニック」院長の加藤光敏氏が言う。

「医学的には、なるべくインスリンを分泌させないような食べ方をすると血糖値が変動しにくくなります。たとえば、最初に食物繊維が豊富な野菜や海藻、きのこ類を食べてから、タンパク質、炭水化物の順に取る。そうすると、インスリン分泌に直結する主食を先に取るより量が少なくて済みます。肝心の炭水化物は精製されていないものがよく、白米より玄米や雑穀米、麺類はうどんよりそばかパスタで、パンなら食パンより全粒粉パンやライ麦パンがベターです」

 グリセミック・インデックスという数値(GI値)が低いほど、インスリンが分泌されにくい。そんな食事を心掛けると、糖尿病予備群がなりやすい食後高血糖を防ぎ、本格的な糖尿病への進展を食い止める効果も期待できる。「仕事のパフォーマンスでも健康管理でも、グーグルの取り組みは画期的」(加藤院長)というから、あすからぜひ!