気象予報士の医師が教える“病気予報”

猛暑の夏は「脳梗塞になりやすい条件」が揃っている

 猛暑が続くと熱中症が心配ですが、実は、脳梗塞にも注意が必要です。気温が高いと脱水傾向となり血液がドロドロするので、血栓ができやすくなるからです。

 熱中症は老若男女、誰でもなり得ますが、脳梗塞は、圧倒的に中年以降に多い病気です。しかも脳梗塞は、手足の麻痺や失語症などの後遺症を残してしまうことが多いので、ぜひとも予防したい病気のひとつです。

 台湾の調査報告によれば、平均気温32度で、脳梗塞による死亡率が27~29度の時の1.66倍に上昇することがわかりました。平均気温が32度というのは、緯度の高い日本ではなかなかありませんが、地球温暖化が進み、猛暑日が何日も続くようになった現在では「対岸の火事」とも言えません。

 対策は、まずはこまめな水分補給です。熱中症対策と違うのは、寝る前と起床時、入浴後などのタイミングでコップ1杯のお水を飲むことです。普段からの習慣づけが大事です。次に、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙などの生活習慣病に気をつけましょう。