有名病院 この診療科のイチ押し治療

【働く女性専門外来】関東労災病院・産婦人科(神奈川県川崎市)

関東労災病院・産婦人科の星野寛美医師(提供写真)

「月経前症候群(PMS)」という疾患は、職場や家庭でもっと周囲の男性に理解してもらいたいという。月経の2週間くらい前になると女性ホルモンの影響で、イライラ、怒りっぽくなる、眠気、集中力低下、抑うつ感などの精神症状が表れる。これらの症状が原因で人間関係を悪くしてしまうケースがあるのだ。PMSは症状に合わせて、低用量ホルモン剤、抗うつ薬、利尿剤、漢方薬などを使って治療するという。

「職場が関連したストレスが誘因で体調不良になる女性も多く、男性上司からセクハラやパワハラを受けて睡眠障害や不安障害になる人もいます。そのような患者さんでも、新しい職場が決まって元気になるまでサポートしています。この専門外来だからこそ、それができるのです」

 同外来の診療において、患者に対して「説得」や「指導」ということはしていない。女性の健康に関する相談なら何でも受け入れ、悩んでいる気持ちに寄り添う診療を心がけているという。

■データ
独立行政法人労働者健康安全機構の運営する労災病院(32施設)の一つ。
◆スタッフ数=医師8人(うち同専門外来担当医師1人)
◆年間初診患者数(2015年)=933人(うち同専門外来患者数=52人)

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