気象予報士の医師が教える“病気予報”

「種痘様水疱症」 乳幼児は紫外線の浴びすぎに注意

 気象庁は健康被害予防のため、毎日の紫外線量の観測値(札幌、つくば、那覇)を公表しています。昨年8月のつくばでは、13日まで非常に強い紫外線が降り注いでいました。空気がきれいなエリアは、都会より紫外線が強力なので、念入りな対策が必要です。

 太陽からの紫外線をブロックするのがオゾン層です。地球上のオゾン全量は1980年ごろから減少し始め、オゾンホールが拡大してきた近年では、多くの紫外線が地上に届くようになりました。南極のオゾンホールは例年8~9月ごろに発生して急速に拡大するため、とくに南半球では注意が必要です。紫外線による人体への影響は、地球規模の問題なのです。

 紫外線にはビタミンDの合成を促し骨を成長させる働きがあるので、成長期の乳幼児にとってはある程度は必要でしょう。しかし、紫外線を浴びすぎると、日光過敏症のほか、「種痘様水疱症」という病気を起こすことがあると皮膚科医が警鐘を鳴らしています。

 種痘様水疱症とは、顔面、耳、手の甲などにできる水疱や痂疲をともなった丘疹で、幼小児期に多く発症します。

 予防には日焼け止めをこまめに塗ることが大切です。