寝苦しい真夏の夜をスッキリ乗り切る

冷えたビールで疲れ加速? ダメージ軽減する正しい飲み方

ビールを飲む前にコップ1杯の水を
ビールを飲む前にコップ1杯の水を(C)日刊ゲンダイ

 暑い夏の夜には、キンキンに冷えたビールが飲みたくなります。普段はあまり飲まない人でも、連日のように暑さが続くと、夕食時のビールが習慣になる人も多いようです。

 寝る前のアルコールで、寝つきを促しているという人もいるでしょう。

 ただ、アルコールによって夏の疲れがひどくなっているケースもあるので、その作用について知っておきましょう。

 アルコールは、体にとっては「利尿剤」で、飲めば飲むほど汗や尿によって体の水分が奪われ、脱水を促す物質です。この脱水が、体の疲れを生み出します。二日酔い症状の頭痛や胃腸の不調も、脱水によるものです。

 また、アルコールは「覚醒」と「睡眠」に交互に作用します。飲み始めは、頭が冴えて元気になり、冗舌になりますが、飲み続けていると今度は「睡眠」の段階に入り、だんだん眠くなっていきます。そして、眠ると3時間程度で再び「覚醒」の段階になるため、夜中に目覚めてしまいます。

 アルコールを「寝酒」として利用しようという場合、2番目の「睡眠」が促される催眠作用の部分だけを得ようとしているのですが、夜中に途中で目覚めたり、睡眠が浅くなる作用ももれなくついてくることになります。

 いったん寝付いたのに、夜中に目覚めてしまう原因が脱水です。睡眠中にアルコールの利尿作用によって体の水分が失われ、体内のアルコールの濃度が上がって、飲み始めたときと同じように「覚醒」に働いてしまうのです。

 アルコールを飲みつつ、夜中に目覚めて体にダメージを与えてしまうことを減らすには、脱水作用を防ぐことが大切です。アルコールを飲む前には、コップ1杯でいいので水か白湯を飲みましょう。体の水分貯留量をあらかじめ増やしておき、アルコールによる脱水でトントンにするイメージです。この方法で、夜中に目覚めることはかなり減ります。

 のどが渇いたところに冷たいビールを飲むのがうまいと思いがちですが、実際に試してみると、先に水や白湯を飲んでいる方が、アルコールの味がよく分かることが知られています。長期的にビールを楽しむ視点を持つなら、飲む前に水か白湯――を習慣にしてみてください。