また、低血圧の診断は単に100㎜Hg未満というだけでなく、あおむけに寝た状態と立った状態でそれぞれ複数回血圧を計測し判断する医師もいる。そのため、なかなか診断されないという。
「夏は冬に比べて一般的に血圧が5~10㎜Hgほど低い。喫煙者や肥満の人はその差がさらに大きい。寒い時季に血圧を測って、“自分は正常だ”と思い込んでいる人も多いのです」
低血圧を改善するにはどうすればよいのか?
「血圧を維持しているのは、血液を送り出す心臓の強さと、送り込まれた血液を送り返す末梢血管のしなやかさです。それをコントロールする自律神経の乱れを正すことが大切なのです」
それにはまず、規則正しい生活を心がけること。とくにいつも同じ時間に起きることが大切だ。
「副交感神経優位から交感神経優位に変わる『寝起き』を一定にすることで、自律神経を鍛えることができます。朝、シャワーを浴びるとさらに効果的です。また、夏場は知らず知らずのうちに汗を大量にかいています。通常より2~3グラム以上多めに塩を取る必要があります。味付けの濃い食べ物を取って、塩分不足に注意しなければなりません」