体にも優しい 食道アカラシア新治療「POEM」のメリット

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 昭和大学江東豊洲病院消化器センター長の井上晴洋医師が、世界初の方法で食道アカラシアの治療を行うようになったのは2008年。

 内視鏡で食道と胃の境目の筋層を切る方法で、「経口内視鏡的筋層切開術=POEM(ポエム)」という。

「食道アカラシアの治療は、約100年前にヘラー医師が開発した外科手術が長らく行われてきました。腹部を切開し、外側から食道と胃の境目にアプローチし、筋層を切ります。近年は腹腔鏡が用いられていますが、やはり外側からのアプローチであることに変わりありません」

 一方、POEMでは、食道の「内側」から粘膜を切開して粘膜下層に入り、筋層を切る。「外側」から行う従来法と違い、体に傷がつかない。出血が少なく、感染症のリスクも低い。そして、最も着目すべき点は治療効果だ。

「POEMであれば、筋層切開の長さを簡単に自由に調整できます。短くも長くも切ることができる。これによって、たとえば60点程度の満足度しか得られなかった患者さんが、80点以上の満足度を得られるようになったのです」

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