死亡リスク3割減 急増「前立腺がん」の新たな治療法とは

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「骨転移した前立腺がんの治療に使われる放射性医薬品は、他に『メタストロン』があります。静脈注射で投与して、体の内側から放射線を出すのはゾーフィゴと同じですが、あくまでもこれは痛みを緩和する治療法です。比較的弱い放射線であるβ線で痛みの原因となるがん細胞を殺す。そのことで、鎮痛効果をあげてきたのです」(黒崎部長)

 しかし、ゾーフィゴは破壊力がまったく違う。α線はβ線の7000倍の重量があり、突き抜ける力は紙1枚程度と弱いものの、目的物に衝突したときの放射線量は強烈だ。

「複数の国々で共同実施された臨床試験では、ゾーフィゴを使用した患者さんは、そうでない患者さんに比べて生存期間が4カ月延び、30%の死亡リスクの低下が認められています。これまでは、痛みを取るだけだった患者さんに生存期間延長の希望が出たことは朗報です」(黒崎部長)

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