死亡リスク3割減 急増「前立腺がん」の新たな治療法とは

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 JCHO東京新宿メディカルセンターは、メタストロン治療で都内1位の実績を誇ってきたが、今後は新しい治療法に変わるだろうという。

 中には、“新たな治療法といっても、たったの4カ月しか長生きできないのか”と思う人もいるかもしれない。しかし、これはあくまでも平均的な数字。より長生きする人もいるということだ。

■骨に転移しても諦めない

 治療は簡単だ。4週間ごとに1回の間隔で静脈注射を行うだけ。最大でも6回で済む。気になる副作用は貧血や下痢や嘔吐、食欲減退、骨痛、疲労など軽度なことが多い。

 問題は家族への影響だ。体内から放射線を発するだけに、患者の身近にいる家族に被害はないのだろうか?

「ゾーフィゴ静脈注射から発せられるα線は、患者さんの体内では0.1ミリ未満の範囲にしか影響を及ぼしません。ほとんど影響なしと言っていいでしょう。ただし、ゾーフィゴの静脈注射後1週間程度は、α線を出す放射性物質のラジウム-223が血液や便などに微量に残る可能性があります。そのため、患者さんの便や尿などに触れる可能性がある場合や、これらで汚れた衣類などを触る場合はゴム製の使い捨て手袋を使う必要があります。子供や妊婦さんの接触も最小限にする必要があります」(首都圏の放射線治療医)

 現在、都内でこの治療法を実施しているのはJCHO東京新宿メディカルセンターを含めて4施設のみ。“骨にまで転移したらがんの治療はおしまい”などとあきらめずに、新しい治療法を試してみてはどうだろう。

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