寝苦しい真夏の夜をスッキリ乗り切る

すんなり寝付きたければ頭の上部を冷やして脳を沈静化

頭が冷えると知らないうちに眠っている…
頭が冷えると知らないうちに眠っている…(C)日刊ゲンダイ

 寝苦しい夜には、何度も寝返りをしながら頭の中では仕事のことをぐるぐると考えがち。ただでさえ暑さで疲れているのに、取るに足りないことで悩まされ、心も体もぐったりしてしまいます。

 特に悩みがあるわけでもないのにぐるぐる考えるハメになる原因は「脳の温度」にあります。本来、眠る前には脳に向かう血管が呼吸によって冷たい空気にさらされて冷やされ、脳の温度も下がる仕組みになっています。ところが、熱帯夜で周囲の空気が暑いままだと、脳の温度も高いまま。すると、脳の活動は活発になります。

 しかし、夜の脳はエネルギーを使い果たして疲労しているので、一つのことに焦点をあてて考え続ける力は残っていません。そうなると、引き起こされるのが連想です。考えは定まらずに次々と移り変わり、ネガティブな連想にはまり込んでしまうのです。

 すんなりと寝付くためには、「脳の温度が下がる」ことが条件になります。脳の温度が下がりにくい熱帯夜には、意図的に脳を冷やして眠りを促しましょう。

 脳は、周囲に筋肉や脂肪分が少なく、外気温の影響を直接受けます。そこで、脳の温度を下げるには、冷たいものを当ててダイレクトに冷やせばよいのです。

 凍らせても軟らかい保冷剤や、あらかじめ冷凍しておいた乾いたタオルを用意して、眠るときに枕の上半分に敷いてください。頭が冷えると、考え事はできずに知らないうちに眠っています。

 その際、注意すべきポイントは「耳から下の首の部分は冷やさない」ことです。首には、呼吸中枢などの生命維持機能があるので、この部位が冷えると「生命の危機状態」と判断した脳が覚醒し、目が覚めてしまいます。

 今夜は寝苦しいから耳より上の頭を冷やそう――という対応も効果的なのですが、その場限りの対応からもう一歩深め、「眠るために脳の温度を管理していく」という発想を持つことが大切です。普段から、就寝時に耳から上の頭を冷やすようにしていると、脳には「就寝時間になると勝手に温度が下がって眠くなってくる」リズムができていきます。普段から脳の温度管理を行って、昼間の脳の活性化と夜の鎮静化をコントロールしていきましょう。