医者も知らない医学の新常識

「食後高血糖」はどのくらいまで上がると危険なのか

「食後の血糖値」が注目されている(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病は血糖値が上がる病気ですが、この病気が怖いのは、合併症があるからです。糖尿病の合併症には、眼底出血や神経障害などの小さな血管の合併症と、比較的大きな血管に起こる動脈硬化の進行、それに伴う心筋梗塞や脳卒中、心不全などの合併症があります。心不全を合併した糖尿病では、その5年生存率(5年後に生きている確率)は、「転移した乳がんの患者さんと同じくらいになる」というようなデータもあります。

 糖尿病のコントロールの指標としては、HbA1cという検査が使用されていますが、実はこの数値が「コントロールの目標に達していても、動脈硬化は進行する」という結果も報告されているのです。

 最近、それに代わるコントロールの指標として注目されているのが「食後の血糖値」で、特に昼食後2時間の血糖値は食前の血糖値より糖尿病の患者さんの経過をよく示しているというイタリア人のデータが、2011年に糖尿病の国際的専門誌に報告されています。糖尿病でなくても食後の血糖値が160mg/dl(食前は110mg/dl以下が正常値)を超えていると、動脈硬化は進行しやすいのです。

 健診での血糖値測定は通常は食前ですが、時々は食後の血糖値も見ておいた方が健康のためには良いようです。そして、それが高いようであれば、食後の運動や炭水化物を控えた食事が有効です。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。