乳房再建に2つの選択肢 人工物or自家組織どちらが安全か

乳がんで闘病中の小林麻央と海老蔵夫婦(C)日刊ゲンダイ

■人工物の場合はメンテナンス必須

 人工物で再建した患者を10年間追跡した海外のデータでは、「術後、再手術を受けた人」が54・6%。そのうち「再建した乳房から人工物を抜去した人」は32・8%と、3人に1人いた。抜去の理由は、破損、大きさや形の変化、左右非対称などだ。

「人工物を体内に入れることで起こる避けようがない結果で、医師の腕とは関係ない部分がある。だから、人工物は入れたら完成で終わりではなく、メンテナンスしていく必要があります」

 自家組織ならメンテナンスは不要。人工物より自家組織の方がいいと、素人目には感じる。しかし、がん拠点病院でも自家組織で乳房再建を積極的に行うところは少なく、人工物がほとんどだ。自家組織の手術は高い技術力を要し、手術にかかる手間も人工物より増えるからだ。

 自家組織の乳房再建法には「皮弁法」と「脂肪移植」がある。

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