熱中症と症状重なり勘違い 「夏の低血糖」はこんなに怖い

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「膵臓から血糖値を抑えるインスリンを分泌させるSU剤を服用していたり、インスリン注射を打っている患者さんは低血糖を起こしやすいといえます。何種類かの薬を組み合わせて飲んでいる人も、効果が強くなり過ぎる可能性があります。低血糖を起こすタイミングは、薬を飲んでいるのに食事を取らないケースが多い。午前中に薬を飲んで、昼食の時間が少し遅くなっただけで低血糖を起こす人もいます」

 暑さで日中に疲労感やめまいを覚えた糖尿病患者が、夜になっても食欲がないからとほとんど食事を取らないまま薬を飲み、そのままベッドに入った。その結果、就寝中に夜間低血糖を起こし、朝になって昏睡状態で発見されたケースもある。

「糖尿病で投薬治療をしている患者さんは、低血糖を起こすと熱中症と同じような症状が表れるということを覚えておく必要があります。そうした症状があるときは、熱中症だけでなく、低血糖も疑った方がいい。症状が軽い場合は、ひとまず糖分が含まれた飲み物を補給して改善するかどうかを確認し、医師に相談してください」

 夏場、体調に異変を感じたら、熱中症を疑うべきなのは間違いない。それと同時に、低血糖の可能性があることも肝に銘じておきたい。

3 / 3 ページ

関連記事