Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【大竹しのぶさん】ワクチン&健診で子宮頚がんを予防

子宮頸がんだったことを明らかにした(C)日刊ゲンダイ

 子宮頚がんは、ほぼ100%がHPVというウイルスの感染が原因。このウイルスは、セックスで媒介するため、セックスの低年齢化によって発症年齢が下がったと考えられています。

「人ごとではない」と指摘したもうひとつの理由が、このウイルス感染。つまり、感染を阻止できれば、発症を食い止めることができます。そのための手段がワクチン接種です。

 接種率が8割に上る欧米では、子宮頚がんの発症者数も死亡者数も低下。子宮頚がんは“過去のがん”になっています。ところが、ワクチンが普及途上の日本では、発症者数も死亡者数も増えているのです。

 HPVには、複数の型があり、ワクチンがすべての型をカバーするわけではありませんが、それでもワクチン接種で子宮頚がんの発症率は3割に下がり、海外には9割をカバーする新しいワクチンもあります。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。