Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【大竹しのぶさん】ワクチン&健診で子宮頚がんを予防

子宮頸がんだったことを明らかにした(C)日刊ゲンダイ

 ワクチンについては、接種後に痛みや運動障害などが生じたという指摘もありますが、世界保健機関(WHO)などは、繰り返しワクチンの有効性と安全性に関する宣言を発表しています。

 第3が、治療法です。大竹さんはレーザーで切除されたように、日本の子宮頚がん治療は8割が手術。しかし、海外は逆で8割が放射線です。早期子宮頚がんの治療成績は、手術も放射線も同じで、どちらでも根治できるのに、ほとんどのケースで手術が選択されているのです。ステージ3で手術ができなくても、放射線で根治できる可能性もあります。

 治療法の選択は、妊娠・出産というライフスタイルや働き方、体への負担などによって変わってきますが、複数の選択肢があることを頭に入れておくことは、とても大切です。産婦人科医に手術を提示されても、放射線の可能性があることも知っておいてください。

 若い女性に急増する子宮頚がんですが、ワクチンと検診の2段構えで予防。そうやって早期発見早期治療を心掛ければ、妻や娘を子宮頚がんで失う悲劇はなくなるのです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。