手術不能の肺がんに新薬登場 今後の治療はどう変わる?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 無増悪生存期間は中央値が1・5カ月、全生存期間は1.4カ月延長した。現場では実感するのに心もとない数字とのことだが、全生存期間を確実に延ばせることを統計学的に初めて証明できた。

■話題の「免疫チェックポイント阻害薬」との使い分けは?

 ただ、2次治療を受ける患者は、1次治療の時より身体的ダメージを負っている場合がほとんど。効果が高くても、副作用が大きければ使いづらい。

「副作用は、日本人患者では発熱性好中球減少の頻度は上昇したものの、全体的にはドセタキセル単剤と比較して大差はありませんでした。QOL(生活の質)も、全体的にドセタキセルに新薬を上乗せした方が優位(QOLが高い)でした」

 手術ができない進行・再発の非小細胞肺がんでは、今、最も注目を浴びているのが免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブだ。前述の通り、扁平上皮がんの治療では免疫チェックポイント阻害薬が今後「主役」になるとみられているが、非扁平上皮がんは「2次治療はドセタキセル+新薬(ラムシルマブ)が第一選択になる」と加藤医師は指摘する。

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