「全く痛くない」をゼロ、「最大の痛み」を10とした場合、今の痛みを数字で表現するといくつですか――?
これは、がん患者さんへ医療者がよくする質問です。がんは痛みを伴うことが多いので、その程度を知るためです。
また、痛み止めの薬の使用前後に聞くこともあります。薬の効果を測ることが目的です。この評価の方法についてはメリット・デメリットがありますが、今回は「体と向き合うこと」についてお伝えします。
健康に近い状態で生活していると、自分の体のサインに意識を向ける機会があまりありません。しかし、不調が生じた瞬間から、体から発せられる痛みや苦痛のサインを受け取らざるを得ません。
それを「痛い」「お腹が張ってつらい」と感じることは簡単ですが、苦痛を数字に変換したり、相手に伝わるように表現するには、思っている以上に体と向き合わなければなりません。
看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う