気象予報士の医師が教える“病気予報”

低気圧が近づく時季は脱水と高血圧による心筋梗塞に注意

 低気圧が近づくと天気が悪くなります。気圧が下がると、私たちの体は反応して、血圧がしばしば上昇します。このような変化は、通常、自覚できません。そのため、いつのまにか高血圧となり、それが原因で病気になってしまうことがあります。とくに怖いのが心臓病です。

 心臓病の「代表格」である心筋梗塞は、冬に多い病気ですが、夏に起こらないわけではありません。夏の暑さで脱水となって血液がドロドロしてしまうと、動脈硬化で細くなった冠動脈内に血栓ができて詰まってしまいます。

 また、高血圧になると、心臓は血管の圧力(抵抗)に負けまいと収縮力をさらに強めるので、心筋がより多くの血流を必要とします。その結果、細くなった冠動脈では十分な血液が供給されず、結局、心筋が壊死(えし)に陥ってしまいます。

 つまり、脱水と高血圧が重なると、心筋梗塞をより起こしやすくなるのです。

 対策は、まず自分の血圧を測定しましょう。血圧は日々変動します。ご自宅での定期的な血圧測定をお勧めします。つぎに、脱水予防のため、寝る前と起床時、入浴後などのタイミングで、コップ1杯の水を飲みましょう。