クスリ服用もデメリット しつこい「夏風邪」の常識と誤解

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「夏風邪に限らず、当院には長引く咳の相談の患者さんがたくさんいらっしゃいます。風邪だと思っている人が多いのですが、風邪でそこまでは長引かない。よく見られるのが、咳喘息とCOPDです」

 咳喘息は、気道の粘膜に炎症が起こって敏感になり、ちょっとした刺激にも反応して咳が止まらなくなる疾患。「ちょっとした刺激」とは、ラーメンの湯気、冷たい空気、線香の煙、香水など。いったん出始めると話もできないほどひどくなり止まらない。また、咳は夜間や明け方に出やすい。

「長引く咳の半数以上は咳喘息という印象です。咳喘息の段階では完治も可能ですが、放置すれば3割は気管支喘息に移行し、そうなると完治が難しい状態になります」

 COPDは、気道や肺胞に炎症が起こり、肺胞が破壊される。息苦しさから日常生活がかなり制限され、やがて死に至る。

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