寝苦しい真夏の夜をスッキリ乗り切る

昼の“戦略仮眠”で自律神経をコントロールする

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 気温が上がりすぎると、体には負担がかかります。特に影響を受けるのが内臓活動です。暑い夏には、食べ物の消化能力が低下するため、より食べ物を消化しやすいように内臓活動を高める副交感神経の活動が活発になります。

 副交感神経が活発になると、脳はリラックスするので、夏は昼間からボーッとしたり、居眠りをしがちになるのです。

 自律神経は、相反する交感神経と副交感神経の活動が“ヤジロベエ”のようにバランスを取っています。つまり、一方の振り幅が大きくなれば、反対に大きく振れる仕組みです。日中にぼんやりしがちな夏に、無理やりテンションを上げようとすると、その反動で体は副交感神経がどんどん高まり、余計に眠くなってしまいます。昼間にシャキッと集中するには、逆にしっかりリラックスさせ、交感神経が高まる反動をつけることが大切です。逆説的に聞こえるかもしれませんが、いったん副交感神経側に引っ張れば、その後で交感神経が活発になるのです。

 そこでおすすめなのが「戦略仮眠」です。赤道に近い年中暑い国では、学校でも企業でも仮眠をする習慣が根付いています。仮眠によって、自律神経のバランスを取っているのです。

 戦略仮眠のルールは4つあります。1つ目は「眠くなる前に仮眠をする」こと。脳には、起床から8時間後に眠くなるリズムがあらかじめ備わっています。眠くなってから眠ると、目覚めた後も頭がボーッとするので、眠くなる前の起床6時間後あたり、昼休みの時間が狙い目です。眠気のありなしにかかわらず、戦略的に仮眠をとってください。

 2つ目は「1分~30分以内である」こと。仮眠時間が30分を超えると、夜の睡眠に必要な深い脳波が出てしまい、夜の睡眠を食い潰します。深い睡眠は、夜にとっておかなければなりません。

 3つ目は「頭部を固定する」こと。人間の脳は、頭が固定されていると深く眠れません。眠気だけを取り去りたい仮眠では、ネックピローやクッションを利用して頭を固定することが大切です。

 4つ目は「〈○分後に起きる〉と、起きる時間を3回唱える」こと。唱えると、脳はその時間の少し前に心拍数を上げて起きる準備をします。

 ルールを守った戦略仮眠を実践して自律神経をコントロールすれば、夏のぼんやりも解消できます。