暑い日が続いています。夏場、心臓で特に注意しなければならないのが「脱水」です。弱っている心臓ほど、体内の水分が不足すると血液を送り出す力が低下します。血液の粘度が上がって流れにくくなるため、心臓=ポンプはそれだけ大きな力が必要になり、負担が増大するのです。
真夏にゴルフ場で倒れて救急搬送されたり、プロのサッカー選手が夏場の練習中に倒れ、そのまま急性心筋梗塞で亡くなったケースもあります。それほど、心臓には負担がかかるのです。
高齢化が進む日本では、心房細動にも注意が必要です。脱水で心臓の働きが弱っていることに加え、気温が高くなると、体内の熱を放散するために効率的に血液を循環させようと心拍数が上がります。とりわけ高齢者は心房細動を誘発しやすくなるのです。
心房細動は不整脈のひとつで、心臓が細かく不規則に収縮を繰り返し、血流が悪くなるため血栓ができやすくなります。血栓が移動して脳の血管で詰まると脳梗塞を引き起こします。脱水状態で血液がドロドロになっていると、さらに血管に詰まりやすくなるので、夏場はリスクが高いといえます。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」