そして、顎変形症の原因はさまざまだ。先天的なものと後天的なものに大きく分かれ、後天的なものには成長の過程で出っ歯がひどくなるなど骨の歪みが徐々に出てくるもの、事故やけがで顔に損傷を負って手術後に歪みが出るものなどがある。
「成長の過程で出現する顎変形症の場合、骨の成長がストップする10代後半ごろから診断され、手術が行われます。小さい時に多少噛み合わせがおかしいからといって、全員が治療の対象になるものではありません」
また、年齢はいくつになっても治療が手遅れになることはない。ある患者は幼少時からひどい受け口が悩みだった。60代で思い切って手術を受け、悪かった発音が非常に良くなった。「娘も顎変形症で、今度連れてくるので治療をお願いしたい」と言うほど喜んでいたという。
ただし、顎変形症で手術を受ける場合は、「見た目」だけにこだわった治療ではなく、「口腔機能を良くする」ことを目的にしている医師のもとで受けるべきだ。