たとえば、現役バリバリの40代で亡くなる男性は、真冬が48人/日、真夏が38人/日ほど。冬と夏の比率は1.26倍です。50代では、真冬が105人/日、真夏が84人/日ほどで、1.25倍。さらに60代男性では、真冬315人/日、真夏250人/日で、やはり1.26倍。最後の桁を四捨五入すると、いずれも1.3倍です。
季節はこれから秋へと移っていきますが、秋は夏と冬の中間、つまり最も死亡が少ない季節から最も多い季節へと移り変わるシーズンです。約3カ月間で、この“1.3倍の坂”を上りきるため、自分の周りで亡くなる人が急に増えてきた印象を受けます。
「秋に死亡が増えるのは、夏の暑さを乗り切るのに体力を消耗してしまったからだ」という説明をよく耳にします。
夏は冬に比べて1割以上も基礎代謝が減るといわれています。体温維持のための発熱量が減るからです。加えて、散歩や買い物などの日常的な活動や、汗をかくスポーツも減りますから、ひと夏を越すと、基礎体力や筋力が低下してしまうのです。
秋になってアクセルを全開にしようとしても、体が言うことを聞かず、故障や病気を発症してしまうことも十分に考えられます。朝の涼しいうちに散歩をするなど、無理のない範囲で体を鍛えておくことも大切です。
死を招く病気は秋に発症する