科学的根拠なくても 歯科医が語るデンタルフロスの有効性

正しい使い方を知っておきたい(C)日刊ゲンダイ

■悪玉細菌の増殖を抑え口腔内の環境改善

 かつては、フロスの有効性を裏付けようとする研究はあった。しかし、いまの基準から見れば被験者数が少なかったり、手法がお粗末だったり、計測方法に無理があったりするため、エビデンスが脆弱に見えるのだという。

「フロスには、歯磨きでは取れない歯と歯の間に詰まった食片を取る以外に、歯垢(プラークとも呼ばれる細菌叢)の成熟を抑える目的があります。これは、歯垢を取るというより“壊す”ことです」(木村院長)

 歯垢は食後12~72時間以内に増殖し、歯周病などを引き起こす悪玉菌を増やす。これが歯垢の成熟だ。フロスで歯垢が壊れると、嫌気性の悪玉細菌に空気が流れ込み、増殖が抑えられるという。

「その結果、歯垢によりダメージを受けて腫れていた歯ぐきが元に戻ったり、口臭が消えたりなど口腔内の環境が良くなるのです」

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