気象予報士の医師が教える“病気予報”

夏の高温が招く危険 尿量減少は腎臓の機能低下をもたらす

 高温が続くと、水分を補給しているつもりでも不足して体が慢性的に脱水状態になっていることがあります。そうすると、尿量も減ってしまいます。「トイレに行かなくて済むから楽でいい」などと思われるかもしれませんが、実は尿量の減少は腎臓に負担をかけ、腎臓の機能を低下させる可能性があります。

 腎臓は一度機能が低下してしまうと、なかなか元に戻りにくい臓器のひとつですので、大事に使っていきたいものです。

 腎臓の役割は、いわばフィルターのように血液をろ過して尿を産生し老廃物を排出することです。相当量の血液をろ過して尿を排出することによって腎臓の働きを活発化させ腎機能を正常に保つことができます。つまり、例えるならば、脱水で血液が濃縮してしまうと、腎臓というフィルターが“目詰まり”するなどしてよくないのです。

 腎臓の機能を維持するためには、十分な飲水を心がけ、尿量を保つことが重要です。暑い日はいつもより少し多めの飲水を心がけましょう。ただし、腎臓病や心臓病をお持ちの方は飲水制限があるかもしれませんので、主治医の先生にご確認ください。