病院は本日も大騒ぎ

ルール違反は“記録”される? 厄介な入院患者たちの行動

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 関東圏の総合病院に勤務し、間もなく看護師歴30年になるトモミです。

 入院患者さんの性格は千差万別です。医師や看護師の言うことを素直に聞く人がほとんどですが、まれに扱いにくい嫌な患者さんもいます。

 病院の医療ミスが大きく報道されていることに感化されているのでしょうか。術後などの経過がよくないと、「私には弁護士がついているぞ」などと、脅しとも思える言動をする患者さんも少なくありません。

 しかし、そんなことで動揺する看護師はいません。病院の看護はルールにのっとって行っていますから、普通にやっていればツッコまれて困ることはありません。

 たとえば入院患者さんには、まずオリエンテーション用紙に沿って、治療の順番や入院のルールを説明します。「検査」や「手術」の中身はもとより、「術後の服薬の種類」「注射」「安静度」(どこまで行動をしてよいのか)なども事前に説明しているのです。

 ところがいざ、その場になると、「この薬は何だ?」「この注射の中身は?」「もう外泊してもいいだろう?」などと質問の形で抵抗してくる患者さんがいます。指示に従わなくて困るのは自分なのに、“年下の女性から偉そうな指示を受けるなんてまっぴら”という感情が先に立つのでしょうか。

 患者さんが看護師の指示に従わないときは医師に報告し、記録として残します。

 患者さんには病院の指示を拒否する権利がありますが、拒否する理由は、治療の内容をよく理解できていないからというケースが多いと思います。その場合、もう一度丁寧に説明します。

 自身のプライドや知識不足から、病院の治療指示に従わない患者さんも困りものですが、本当に厄介なのは、何度注意しても入院の初歩的なルールを守らない人です。

「病室内には洗濯物を干さないでくださいね」と注意しても、靴下や下着類などを干し続け、繰り返し注意しても無視する患者さんもいるんです。携帯電話の使用もそうですね。

 この場合、家族に連絡を入れて注意していただきます。奥さまや兄弟など身寄りのない患者さんには、入院時の保証人に連絡します。だって、これは“しつけ”の問題ですからね。身内に叱ってもらうしかありません。