身近な薬の落とし穴

下痢止め薬が毒素排出のジャマに 腸の不調が長引くことも

 この時、腸の活発な動きを抑えて下痢を止めるロートエキスの成分が含まれた薬を使うと、腸の動きが抑えられ、毒素が体内にたまってしまいます。つまり、かえって下痢や腸内の炎症が長引く危険があるのです。

 よく、急な下痢にビックリして薬を買いに来られる患者さんがいらっしゃいます。話を聞いてみて、「熱や血便はなく、吐き気を伴う水のような下痢」の場合、基本的に薬を販売することはありません。無理に下痢を止めると、毒素の排出をジャマしてしまうからです。

 そんなときは、水分をしっかり取りながら、2~3日様子を見るようにアドバイスします。ほとんどの場合、2~3日もすれば下痢が治まり、体調が良くなります。ただし、高熱や血便がある場合は抗菌薬を使用した方がいいケースもあるため、病院を受診してください。

 また、どんな下痢の場合でも、脱水には注意しましょう。スポーツドリンクや経口補水液による水分摂取が大切です。

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中尾隆明

1985年、愛媛県生まれ。愛媛県立南宇和高等学校を経て岡山大学薬学部を卒業。2008年からこやま薬局(岡山県)で管理薬剤師を務め、現在は企画運営部主任として各店舗のマネジメントを行っている。8月に著書「看護の現場ですぐに役立つ くすりの基本」(秀和システム)を発売。