この時、腸の活発な動きを抑えて下痢を止めるロートエキスの成分が含まれた薬を使うと、腸の動きが抑えられ、毒素が体内にたまってしまいます。つまり、かえって下痢や腸内の炎症が長引く危険があるのです。
よく、急な下痢にビックリして薬を買いに来られる患者さんがいらっしゃいます。話を聞いてみて、「熱や血便はなく、吐き気を伴う水のような下痢」の場合、基本的に薬を販売することはありません。無理に下痢を止めると、毒素の排出をジャマしてしまうからです。
そんなときは、水分をしっかり取りながら、2~3日様子を見るようにアドバイスします。ほとんどの場合、2~3日もすれば下痢が治まり、体調が良くなります。ただし、高熱や血便がある場合は抗菌薬を使用した方がいいケースもあるため、病院を受診してください。
また、どんな下痢の場合でも、脱水には注意しましょう。スポーツドリンクや経口補水液による水分摂取が大切です。
身近な薬の落とし穴