もともと尿酸値が高い人は、高血圧、肥満、高脂血症、糖尿病などを合併しているケースが多く、それが心血管疾患が増える大きな要因だと考えられています。いずれも、動脈硬化を促進させる大きなリスク因子で、動脈硬化は心筋梗塞、狭心症、弁膜症、大動脈瘤などの心臓病を引き起こす要因になります。
高血圧学会では、「日本人は尿酸値が『1』上昇するごとに、男性で18%、女性で25%が高血圧を合併しやすい」という発表もあり、男性は「7.5以上」、女性では「6.3以上」の場合、高血圧を合併する患者の心血管疾患の発症が増えるという報告もあります。やはり、尿酸値が高いまま放置しておくのはリスクも高いと考えていいでしょう。
また、合併だけでなく、高尿酸血症は心血管疾患の独立した危険因子であるという報告もあります。はっきりしたメカニズムはまだ解明されていませんが、尿酸が基準値を超える状態が続くと、血管の細胞が尿酸を取り込んで血管の壁が厚くなり、血液の通り道が塞がれて心筋梗塞や狭心症のリスクが高まるのではと考えられているのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」