天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

尿酸値は心血管疾患の発症にも関わる

順天堂大学医学部の天野篤教授(C)日刊ゲンダイ

 こうした数々の報告から、尿酸値が一定以上高ければ、無症状であっても積極的に尿酸値を下げる治療を行うべきだという流れも出てきています。現在は、男性も女性も尿酸値が「7」を超えたらリスクが高くなるとされていますが、女性はもともと男性より尿酸値が「2」ぐらい低いため、「5」を超えたら注意が必要です。女性の場合、男性に比べて尿酸値が高いと心血管疾患になりやすいという研究もあるので、気をつけましょう。

 尿酸値も心血管疾患も、リスクを下げるには生活習慣を改善することが重要ですが、それが難しい人は、早めに尿酸を下げる治療を検討したほうがいいかもしれません。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。