秋には喘息が増えます。呼吸器科では、喘息発作の外来患者が他の季節の2倍に上るといわれているほどです。原因として気圧の変化、朝晩と日中の気温差、ハウスダストの増加などが挙げられています。
とくに有名なのが台風との関係。台風の接近で気圧が急激に下がると、喘息発作が起きるという人が意外と大勢いるのです。秋雨前線の通過も、同様に喘息の引き金になるといわれています。
気圧よりも、気温の変化のほうが悪いという説もあります。秋になると一日の気温差が10度以上になります。とくに夜半から明け方は要注意。この時間帯は副交感神経が働いているため、気管支が収縮しやすくなっています。そこに秋の冷気が重なると、さらに気管支が収縮して喘息発作を起こしやすくなるのです。
最近は、ダニなどのハウスダストが注目されています。ダニは6月ごろから枕、布団、カーペットなどの中で繁殖し始め、夏の間に最大数に達します。それが秋になって一斉に死ぬため、死骸がハウスダストとなって室内に充満するのです。喘息患者にとっては、たばこの煙よりも悪いといいます。
死を招く病気は秋に発症する