ダイエットを科学する

デスクワーク中心で肥満ならアジやホウレンソウをとる

動かずお腹いっぱい食べる人には鮭もいい
動かずお腹いっぱい食べる人には鮭もいい(C)日刊ゲンダイ

 前回は早稲田大学スポーツ科学学術院の川上泰雄教授と、同大重点領域研究機構持続型 食・農・バイオ研究所の田中史子管理栄養士に、ダイエットに効果的な「運動法」を聞いた。今回は「食事法」だ。
必須アミノ酸を積極的に取る 

 まずは、ダイエットになぜ食事法が重要なのかを理解するために、体の仕組みを知る必要がある。

「基礎代謝が高ければ、同じ食事を摂取しても太りにくいし、脂肪も燃焼されてダイエットにつながります。では、基礎代謝を上げるにはどうするのか。骨格筋を大きくすることです」(川上教授)

■必須アミノ酸を積極的に

 人は「骨格」と「骨格筋」、そして「皮下脂肪」から成る。基礎代謝を上げるには骨格筋を大きくする必要があり、それに合った運動をしなければいけない。上手に筋肉をつけるには、生活様式や仕事、体質により食事メニューを微妙に変える必要がある。前出の管理栄養士・田中氏が言う。

「筋肉をつけるためには必須アミノ酸が不可欠です。必須アミノ酸は自分の体の中で作ることはできないので、食事やサプリメントなどで取り入れるしかありません」

 具体的にどんな食事がいいのか。田中氏に2パターンの人をモデルに食事メニューを考えてもらった。

 まずは「朝食を抜くなど欠食があり、肉類、乳製品を好まない人」のケース。大抵は低栄養で筋肉量が少なく、基礎代謝も低い傾向にある。

「エネルギー量も必須アミノ酸量も高い食事が必要。ウナギ(必須アミノ酸1000ミリグラム以上)、サバ、牛ロース、豚ロース(同7000~9999ミリグラム)をできるだけ取りましょう」(田中氏)

 朝食メニューにすると例えばこんな具合だ。

 豆腐とわかめ入り味噌汁、玄米(白米と玄米ブレンドでもよい)、季節の果物、ホウレンソウのごまあえ、焼きサバなど。

「脂身の多い肉や魚が大好きで、早食い。お腹いっぱいになるまで食べてしまうのに、仕事はデスクワークが中心の肥満の人」ではどうか。

「必須アミノ酸は高いがエネルギー量は低い食事がおすすめです。豚ヒレ肉、鶏ムネ肉、鮭、鶏ササミ、アジなどを積極的に取ることです」(田中氏)

 朝食メニュー例としては、豆腐とわかめ入り味噌汁、玄米(白米と玄米のブレンドでもよい)、季節の果物にプラスして、ホウレンソウのおひたしや、骨があって早食い防止になるアジの開きを加えるといいという。