なぜ? 「ギックリ腰なら安静に」は“百害あって一利”なし

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ギックリ腰を起こしたのでコルセットを着けて安静に――。腰痛対策の“あるある”だが、実はこれが腰痛をさらに悪化させている。

「近年、腰痛の研究が飛躍的に進み、これまで常識とされていたことが当てはまらなくなってきた」

 こう話すのは、「腰痛は『動かして』治しなさい」(講談社新書+α)の著者で、東京大学医学部付属病院特任教授の松平浩医師。ギックリ腰に関しては、ベッドなどで横になるのは長くても2日間まで。西欧諸国の多くの腰痛診療ガイドラインでは「2日を超えるベッド上での安静は支持すべきでない」という記載があるという。

 松平医師らの研究では、ギックリ腰で医療施設を受診した勤労者のうち、「安静を指導された群」は、「活動してよいと指導された群」の3倍以上再発リスクが高く、再発回数が多く、慢性腰痛に陥りやすいという結果だった。つまり、安静はNG。むしろ、「百害あって一利なし」ともいえる。

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