なぜ? 「ギックリ腰なら安静に」は“百害あって一利”なし

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「安静がよくないのは、腰を支える筋肉が衰え、脊椎や背筋を含む運動器の柔軟性が落ち、血流が悪くなって疲労を促進させる発痛物質が増えるから。さらには、腰痛を常に意識して動くため、かえって腰痛への不安や恐怖が強くなり、脳の機能に不具合を生じ、脳が持つ痛みを和らげる働きが妨げられるのです」

 ギックリ腰は、発症直後は激痛が走るが、まったく動けないのは数分。落ち着けば電話口まで這ったりする程度はできる。その段階で、「ギックリ腰は基本的に心配する必要がない青信号の腰痛! だけど大事にし過ぎると治りにくい黄信号に変わりやすいという。私は大丈夫」と自分に言い聞かせることが重要だ。

「痛み止めの薬を嫌がる日本人は多いですが、短期間だけきちんと使い、できそうなことは普段通りする。活動的であるほど、腰痛は気にならなくなります」

 ギックリ腰や慢性腰痛は、ほとんどが原因となる明確な病気がない。椎間板や腰の関節のちょっとしたズレや傷、炎症や血流不足が関係している。これを「非特異的腰痛」といって、通常は遅くとも3カ月以内によくなる。だから安心して、体を動かすべきなのだ。

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