その強力な感染力によって、たくさんの人が集まるコンサートや学校で集団感染するケースが多い。大流行した2007年は4月1日~7月21日に厚労省に報告された学級閉鎖、臨時休校した高校、大学はそれぞれ73校、83校に上った。
2008年に沖縄のライブコンサートで発生した集団感染では、県内在住の20歳の男性が発熱・発疹がある状態でライブ会場に赴き、会場にいた13人が感染。他に会社の同僚と病院、近所の住人3人が感染した。その後、ライブ会場にいた1人が別のライブ会場で3人を、2人が家族ら3人に感染させ、計22人が麻疹を発症している。
■過去にワクチンを打っていても安心できず
麻疹にかかったら、解熱剤を飲むなどして回復を待つほか手はない。
怖いのは中耳炎、心筋炎、肺炎、脳炎などの合併症を発症する場合があること。幼児の中には「亜急性硬化性全脳炎」という進行性で致死的な中枢神経疾患を起こすこともある。